まず水泳は、ほぼすべての主要筋肉群を動かします。また、心臓や肺に対してもかなりの活動を要求するので、全身の建身のための運動としてとても効果的なのです。
こういった、全身を使うという点が注目され、肥満に困っている方、妊娠中や直後のダイエットの方、何かケガなどをした後のリハビリなど、様々な用途でのエクササイズとして、水泳運動は注目されています。
ダイエットのために水泳をする、いわゆる水泳ダイエットはどうでしょうか。確かに水泳ダイエットは有名なダイエット法ですが、他の方法と比べて効果的なのでしょうか、それとも効率が悪いのでしょうか?
水泳ダイエットの研究
ある研究では、長距離ランナーよりも水泳選手の方が体脂肪率が高いという統計が出ているそうです。そこでグイナップ博士という学者が、ウォーキングやサイクリングという陸上運動を毎日させるグループと、水泳を毎日させるグループにわけてダイエット効果を調べたところ、ウォーキングやサイクリングをしていたグループの方に体重の減少が見られたが、水泳では見られなかったという結果が出ました。
つまり水泳よりも陸上運動の方が体重を落とす効果があるということになりますが、これで結論が出たわけではありません。
今度はユタ大学の研究チームが、 被験者を3つのグループに分けて調査をしました。
- 水泳をするグループ
- 陸上をウォーキングするグループ
- 水中のウォーキングをするグループ
この結果、全てのグループでダイエット効果が認められ、グループ間ではあまり違いがなかったという研究結果が出ました。
つまり、水泳は陸上運動と同じだけの運動効果があるということです。
ではなぜ、水泳ではダイエット効果がなかったが、陸上運動ではあったというような研究結果も存在するのでしょうか?
その答えは、意外な所にありました…
水泳ダイエットの盲点
実はその答えは、温度にあったのです。
普通スイミングプールの温度は25-28度くらいですが、最初の研究では水温が23度、二番目の研究では水温は27度くらいあったそうです。
27度といえば、温水プール的な感覚で、大体外気と変わりません。
この温度差がどうしてダイエット効果に関係があるかというと、人間は冷たい水中で活動した後、お腹が減るようになっているかららしいです。
つまり、同じだけの運動をして、カロリーを同じだけ燃やしているにも関わらず、冷たい水で水泳をしたグループはよりお腹が減ってしまい、その分食べてしまった結果、体重の減少が見られないという最初の研究結果になったわけです。
水泳ダイエット:結局効果はあるの?
結論としては、水泳ダイエット自体には効果がありますが、水中温度が低い場合、よりお腹が減りやすいというマイナス面があり得るということになります。
ただ、ダイエットのポイントは運動をし続けて摂取したカロリーよりも多くのカロリーを燃やし続けるという原則に変わりはありませんから、例えばランニングが嫌いな人がだからといって水泳からランニングに転向したからといって続くとは限らないわけです。
水泳や水中活動が好きな人は、水泳ダイエットをやることに問題はありませんし、むしろ水泳ダイエットを選ぶべきでしょう。楽しく続けるのが一番のダイエットの近道ですから。
ただ、今日お話ししたことを頭に入れて、食べ過ぎないような配慮をする必要はありそうです。